製販一体だからこそ、
実現できることがある
今日はよろしくお願いします! 住友ナコは製販一体だからこそ、職種間の連携が当たり前になっていますよね。意識していなかったのですが、考えてみるとセールスは設計と生産管理それぞれのやりとりが多く、設計と生産管理がどのように連携しているのかあまり知らないので、どんな話が聞けるのか楽しみにしていました。
今回のメンバーは、職種は違いますが全員が特注仕様車に関わっていますよね。
標準車と特注仕様車ではいろいろと難しさや違いがあり、連携はとても重要だと感じています。最初はわかりやすく、仕事の流れから話しましょうか。
お客様の理想を具現化するために、課題やニーズを引き出すのがセールスの役割です。特注仕様車の場合は特にこのステップが重要で、お客様の作業現場をしっかり観察し、お客様自身も気づいていないところまで見出すのがセールスのミッションになります。
設計では、セールスから相談をもらったら、すぐに設計に取り掛かるわけではありません。セールスからお客様の情報を可能な限り引き出し、足りないときには再度お客様へのヒアリングを依頼することもあります。その上で、既存の部品が転用できないか、新しい部品を作る場合も既存の技術や取引のある部品メーカーで実現できるのか、品質を確約できるのか、確信を持って「できます」と言えるまでしっかり検証します。
セールスと設計の関係は、発注者と受注者という関係性ではなく、生産管理も含めて一緒に実現に向けて動く一つのチームだと思っているのですが。
そうですね。設計が「できる」と判断すれば、生産管理とも連携し納期や価格を固め、それをもとにセールスにお客様と商談を進めてもらうという流れになります。
![対談風景 [イメージ]](../assets/img/project_img/project-relation-insert01.jpg)
生産管理の仕事は、簡単に説明するとセールスからの注文を受けて納期を設定し、その後納期通りに製品を出荷するまでを担います。フォークリフトの受注と納期設定、特注仕様の設計工数の確認、生産に必要な部品の手配、生産計画の立案など、幅広い役割を担っているため、関わる部署が多く、関係者をつなぐ調整役の色が強いですね。
まとめると、特注仕様車の場合は、セールスがお客様から要望や困りごとの相談をいただくと、設計がそれらを解決する製品を設計し、設計と生産管理が連携して納期・価格を設定。セールスがお客様に製品を提案し、注文をいただいたら、生産管理が納期設定をして生産・出荷までコントロールする、というのが一連の流れでしょうか?
そうですね。実際には見積を出す前の段階で、何度も職種間を往復してやりとりします。
だからこそ、社内に相談できる相手がいるというのは、とてもありがたいです。私はセールスとして、お客様が実現したいことをいわばお二人に「依頼」する立場なわけです。もしこれが社外の取引先だったら今みたいに気軽に言えないこともでてきますし、スピード感もなかなか出せない気がします。実際に、私の先輩にはお客様への提案時に設計者に同行してもらい、技術的な観点から助言をいただいたという話も聞いているので、連帯感はとても強いです。
難しい商談や、今後の販売戦略的にどうしても注文を受けたい場合には、セールスからの要望で、同行してお客様と直接お話しすることは珍しくありません。
他社だとメーカーの設計者に同行してもらいお客様に直接説明するというのは、あまり聞かないですよね。
確かにそうですね。職種間の連携が強固で、それゆえのフットワークの軽さというのは、住友ナコの強みと言えるかもしれません。
改めてお話しを聞いていると、製販一体だからできている部分も多いと感じます。たとえば、レスポンスの早さも一つですよね。返答のスピードが信頼関係につながることもありますし、納期で他社と比較された時も、当社は強いと感じます。
![対談風景 [イメージ]](../assets/img/project_img/project-relation-insert02.jpg)
基本的に、特注仕様車の場合は納期がかかります。たとえば3カ月という納期を回答して、それよりも早く納めて欲しいという要望が入ったときに、「できない」と答えるのは簡単です。そこを設計者に短縮を図ってもらったり、特注部品の仕入先へ納期短縮の交渉を行ったり、生産現場で生産工程に要する時間を短くしてもらう交渉を行ったり、セールスやお客様の要求納期に合うよう、1日でも短縮できる手段はないか探ります。セールスの方から見て、そのあたりどうですか?
セールスからの希望に対して、なんとか実現しようと動いてくれているのがわかって嬉しいですし、とても助けられています。セールスから依頼を受ける際に、設計や生産管理として何かポリシーのようなものはあったりしますか?
先ほども言いましたが、生産側のポリシーとして、できる限り「できない」と言わないというのは強くあります。納期には「このくらいに届くと良いな」というものから「絶対にこの日までに必要」というものまで、必要度にレベルがあります。特に後者の納期で、間に合わせるのに難易度が高い場合は、必死になって調整を行います。普段から私の上司が社内や工場に納期の重要性について伝えてくれていて、関係部署の方に協力を仰ぎやすい環境を整えてくれているので、ありがたいです。
設計も同じです。できる限り「できない」と言わないというのもそうですし、どうしても難しい場合には、別の方法でなら実現できるかもしれないといった代替案は必ず提案するようにしています。
セールスという立場から、これほど心強いことはないですね。社内への厚い信頼があるからこそ、お客様にも自信を持って向き合えるのだと思います。