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プロジェクト紹介

先進技術座談会

物流業界の課題を解決する
自動フォークリフトの現在地

先進技術の開発を担う技術者2名と、先進技術を活用したソリューション提案を行うセールス1名による座談会を実施しました。テーマは自動フォークリフト(以降AGF)です。物流業界が抱える人手不足を解決するソリューションとして期待されるAGF。市場への投入を目指し、現在開発が進んでいる当社のAGF最前線を紹介します。

Talk Member

  • 森田 真央MAO MORITA

    2023年 キャリア入社

  • 松岡 翔尉SHOI MATSUOKA

    2014年 キャリア入社

  • 鈴木 雄士YUSHI SUZUKI

    2014年 新卒入社

  • AGF開発の現在地
  • 自動化することの意義
  • AGFのこれからの可能性は?

AGF開発の現在地

今日はよろしくお願いします。私は入社して日が浅いのですが、AGFが市場に出た後、AGFを活用したソリューション営業に携わっていく立場から、開発を担当しているお2人に話を伺い、今後の仕事に活かしたいと思っています!

私たち技術者と森田さんたち営業部隊は、密に連携を図っていますよね。森田さんが活躍してくれると、開発担当としても嬉しいですからね。

はい。ぜひ勉強させてください。もうすでにお2人とはよくやりとりしていますが、この座談会を見る人たちのために簡単な自己紹介をお願いします。

私は2014年に新卒入社しました。新卒で入社して2年目から先進技術開発に関わっていて、様々なことに取り組んできました。AGFでは、リーチ式と言われるオペレーターが立って乗るタイプの車両の自動化に携わっています。

よろしくお願いします。私は2014年にキャリア入社しました。AGFではPickio(ピッキオ)シリーズというコンパクトタイプの機種を担当しています。また、本日のテーマではありませんが、人が運転するフォークリフトを対象にしたSNLinkというIoTサービスの開発も担当しています。

対談風景 [イメージ]

ありがとうございます。まず率直にお聞きしたいのですが、AGF市場で当社は他社より先行しているのでしょうか?

AGF自体は以前から市場に存在する製品ですが、近年能力の向上とともに活用事例が増えてきています。当社はまだ市場にAGFを出していないという点で、先行しているわけではありません。

ただ、AGFはフォークリフト市場全体の数%にも満たないシェアというのが現状で、これから伸び続けていく市場であることは間違いありません。AGFは、人手不足をはじめとする物流業界の課題に対し、強力な解決策となり得ます。

なるほど。伸びていく市場でシェアを伸ばしていくためには、明確な差別化が必要になってきますよね? セールストークの参考にしたいので、ぜひ教えてください!

鋭い質問ですね。先行している他社に追いつけ・追い越せというだけではなく、他社とは異なる視点を持ち、優位性を活かした開発が差別化につながります

鈴木さんの担当するリーチ式だと、住友重機械グループとの連携は差別化ポイントの一つですよね?

そうですね。倉庫全体を自動化するソリューションの中にAGFを組み込むかたちで自動倉庫の開発者と、お互いの要望を合わせて、どんなものが市場に刺さるかを考えながら共同開発を進めています。

AGFだけでないソリューションが生み出せるということですか?

はい。私たちが目指すのは、お客様の省人化や効率化をどう実現するか。そのために、AGFと他の設備をかけ合わせた提案が必要だと考えています。

他には、親会社の基礎研究部門と、ニーズも技術的難易度も高い要素技術を共同で開発することもあります。

なるほど。当社のAGFの差別化のポイントの一つとして、グループ企業との連携によって生み出せる独自の価値があるわけですね。

対談風景 [イメージ]

自動化することの
意義

そもそも、人が運転するフォークリフトではなく、AGFにするメリットは何なのでしょうか?

お客様が一番期待しているのは、人手不足の解消です。

自動化すれば24時間稼働できますし、危険な作業を機械に任せることができるので、安全面も格段に向上します。

人が介在すれば人身事故などのリスクが増えますし、さらには人材を管理する工数や管理費も発生します。単純に「荷物を運ぶ」ことだけではなく、トータルでのメリットに目を向けると、よりAGFの価値を理解してもらえるんじゃないでしょうか。

人手不足に関連して、フォークリフトの運転にはベテランのオペレーターの方の技術が必要になりますが、物流現場でそういった人材を見つけることが難しくなってきています。

ベテランの方のような動きを自動化で実現するのは、難しいのですか?

例えば、高い場所への積み下ろしは、オペレーターの方にとって難度が高い作業の一つです。工場によっては4~5メーターの高さへ荷物を運ぶこともあり、当然オペレーターの方から見えません。見えない場所の荷を取るには、勘や経験に頼る部分が大きくなってきます。一方で自動化すれば、人の目が届かない場所でも、フォークの先や設備側などあらゆる所にカメラやセンサーをつけることで、ベテランの方の作業を再現することができます。

加えて、車種にもよりますがフォークが高い位置にあればあるほど、重心の位置が変わります。そのためベテランの方は、感覚でバランスを取りフォークの傾きを調整しているはずなんです。こういった人の感覚に頼っている部分を事前にデータ化し蓄積することで自動制御することができるようになります。

なるほど。カメラやセンサー、データの蓄積によって、ベテランの方の動きを再現できるのですね。
当社の現在のAGF開発状況はどのくらい進んでいますか?

フォークリフトを自動で動かすことはできていて、2022年の国際物流総合展ではお客様の前で動く姿を公開しました。今は2024年の上市に向けて、安全に利用できることを追求し、機能追加と検証を行っているフェーズです。商品として売り出すからには、事故を起こさないというのは絶対条件です。人が目や耳で感知してやっていることを機械でも安定的に動かすためには、試験・評価を繰り返して一歩一歩クリアしていく必要があり、ここが一番時間がかかり難しいポイントでもあります。

AGF開発全体という点では、目標が無限とまでは言わないですが、やりたいことや課題がいっぱいあって、将来を見越すとまだまだ半分もいっていないですね。

この先こんな技術ができたらっていうビジョンがいっぱいあるので、そういったところにも挑戦していけるのは当社の強みの一つで、開発していて楽しいところかなと思います。

対談風景 [イメージ]

AGFのこれからの可能性は?

具体的に、松岡さんや鈴木さんの「やりたいこと」を教えてください!

トラックへの積み込み・積み降ろしにチャレンジしたいと考えています。動かない棚と違ってトラックは位置が微妙に変化するので、棚での作業よりも一段階上の技術が必要になります。今は人を排除した環境下での自動化が主流ですが、完全に人との共存を目指すのであれば、人が運んできたものをそのままAGFで運ぶというのは必ず実現する必要があると思っています。

一番のハードルは、人とAGFが一緒に作業する環境への適応です。人がポンと置いた荷物を、どう精度よく取れるか。お客様が気を遣わなくても機能するAGFが一番の理想形だと思うんです。それを目指して、親会社の基礎研究部門とも協力して開発できればと思っています。

お客様と話していても、人と共存して作業することや、パレット姿勢への許容度の幅については、よく聞きます。お客様のニーズと、開発が目指しているビジョンが合致していることが分かり、嬉しいです。
ニーズの話で言うと、「人手が足りないから何とかならない?」といった大枠での要望をいただくことも多いです。人手が足りないから効率化を図りたい、でもそのためのリソース自体が足りていない。そんな中でヒアリング、提案し、提供した製品がお客様の課題を解決するためには、営業側と開発側の連携がより必要になってくると感じています。

そうですね。どうしても開発側で何年もやっているので、こうあるべきとか、凝り固まった部分があるんじゃないかと思います。そういったところに、新しい風じゃないですけど、私たちが思いもつかない、でも、考えたら確かにそうだよね、といったことを引き出してもらいたいと思います。

あとは、お客様と深いコミュニケーションを取れるようにつないでもらうことでしょうか。私たち開発担当もお客様へ提案することがありますが、私たちが説明すると、どうしても技術的な話をしてしまいます。それではお客様にとっては分かりづらいので、森田さんに仲介してもらって、お客様にとって聞きやすい話にしてもらえたらと思います。

お客様とのコミュニケーションという点では、お客様から情報をいただくことも重要です。実際に使用されたときに洗い出された不満や要望は、開発する上でとても貴重なデータですからね。活用できる技術はどんどん取り入れる一方で、森田さんたちがお客様から得てくる情報も、新しい視点となって開発にブレイクスルーを起こす可能性があると期待していますよ。

たしかに、お客様の要望をできるだけ多くキャッチすることこそ、私たちのミッションだと思っています。お客様が想像できていない新しいコトを私たちが一緒に寄り添い、考えてカタチにしていく。そのためにも、松岡さんや鈴木さんなど開発担当の皆さんとの連携を強化して、ソリューションの価値を高めていきたいとワクワクします!

連携を深めることで、もっともっと可能性が広がっていく予感がします。AGF自体、市場全体の中でもまだまだ始まったばかりの取り組みで、伸びしろしかない。やるからには、事業の柱となれるようにチャレンジしていきたいですね。

お客様も答えを知らない、これまでにない新しいソリューションなので開発者の挑戦は絶えないわけですね。お2人のお話を聞けて良かったです。自信を持って営業していきます!

AGFのこれから

AGFのこれから [イメージ]